コロナ予報(COVID-19 Forecast)更新2020.08.30
注記•“新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会”では、新型コロナウイルス感染症の感染状況等を解析するための色々な手法について議論しています。•ここに掲載した、感染状況の予測は、研究会で議論された方法の一つで、公表されたデータをもとに、SIQR数理モデルを使って計算したものです。•主要都府県別の感染ピーク時期や検査陽性者数、及び、入院・隔離すべき感染者数を計算しているので、病床の準備やスタッフの備え、および、療養用ホテルの準備に役立つと考えています。•色々な値を計算していますが、ここでは、誰もが知りたいと思っている1日の検査陽性者や要隔離・入院者数の推測計算値に絞って掲載しました。•予測計算は、公表されるデータがタイムリーに集計されないことやPCR検査陽性者が発症者と不顕性陽性者を区別していないこと。感染拡大に影響する接触率などが変わるなどの理由で当然誤差を含みます。結果を保証するものではありません。•計算の結果は、計算した日の予測計算結果です。データが増えるに従って誤差は少なくなるので、適宜、更新して行く予定です。•予測は、SIQR数理モデルの非線形常微分方程式を解くことで求めますが、その際、方程式に使っている係数を計算結果がデータに合うように自動的に計算します(AI 機械学習)。感染拡大の初期でデータが少ないと過学習(オーバーフィティング)になることがあります。その場合は、過学習を防ぐための人為的な介在をして修正をします。尚、市中感染者の治癒期間は9日。隔離感染者の治癒期間は、平均14日と仮定していますが、入院・療養者のデータに合わせて調整する場合があります。新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会メンバー 並木正夫
コロナ予報 は、8月4日から研究会のHPで公開しました新しいデータを取り込んで8月6日、9日、13日、16日、19日に更新をしました8月4日の予報では、ピークが7月末から8月下旬と地域によって差がありました。データが集まった19日の予報では、神奈川県を除く他の地域は、8月初めまでにピークアウトしています。8月22日のデータでは、 1日の新規感染者は、神奈川県もピークを迎えています。8月20日、政府の分科会の尾身会長が講演を行い「東京や沖縄、大阪などでは医療機関への負荷が大きい状況が続いているが、今の流行は全国的にはだいたいピークに達したというのが私たちの読みだ。今後の推移を注意深く見守っていく必要がある。・・・」と述べました。感染拡大の初期から感染の動向を予測できる感染が何時、何処で始まるかは予測できない感染が始まり、一定期間が経つと‘感染拡大’⇒‘ピーク’⇒‘縮小’の予測が可能になる感染のピークが近づくと予測の精度が上がる入院・療養者・重症者の予測が出来る ⇒ 医療関係者に事前準備の情報その他PCR検査の効果を推測できる(q’の変化)PCR検査による不顕性感染者の隔離を増やした時に、一時的に増える新規感染者とその後の新規感染者の減り方のシミュレーションが出来る ⇒ 何時実施するのが効果的かがわかるPCR検査推進派と消極派の議論が具体的数値に基づいて行える3. 自粛の効果を推測できる(β’の変化)感染に影響する行動抑制※の効果をシミュレーションできる※ 行動と感染が関係するとして計算。但し、行動抑制(解除)と感染抑制(拡大)は正比例しない自粛要請を何時出せば効果的かのシミュレーションが出来る
主要都道府県別、新型コロナウイルス感染拡大の予測更新 2020.08.19 新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会の並木正夫様の「コロナ予報(COVID-19Forecast)です。この予報を見るとコロナも今がピークのようですね!でも安心して気が緩むのは絶対避けねばなりません。これまで以上に自粛が必要です。8月19日から始まった日本感染症学会で、舘田一博理事長が講演し、「今、日本は第2波のまっただ中にいる。全国的にも、東京でも新たな感染者数の推移はピークを迎えているようにも見えるが、再び上昇することが無いのか注意する必要がある」と述べ、現在、国内が流行の第2波を迎えているという見解を示しました。そして、「この先も第3波、第4波が来ると予想され、新しい生活様式の中で新型コロナウイルスとつきあっていくことになる。学会として、少しでも重症者を減らし、医療現場を混乱から守るため最新の知見を集めていきたい」と述べました。(NHK NEWS WEBより)学会としては慎重な姿勢ですが、8月19日までのデータで計算した結果では、多くの都道府県で新規感染者はピークを越えています。入院・療養者も多くの都道府県でピークを迎えているように見えます。その中において、沖縄の病床数はひっ迫しています。重症者が増えているので、前回から全国と大阪府で重症者の予測を追加しています。コロナ予報は、このHPで8月4日に公開し、8月6日、9日、13日、16日、19日(今回)と更新しました。第2波に対する新規感染者ピークの予測と入院・療養者の予測は、これまでのところ、第1波で検証した方法がうまく適合できています。第2波でも、第1波と同じ手法が使えるという前提で、予測計算をしていますが、目的関N数(データとの一致度を示す決定係数)の説明変数になる数理モデルの係数は、感染エリアの拡大を示すそれぞれのエリアの人口(実効感染機会人口)を除いて、第1波と似たような値をとっているので、第1波と同様に一旦は収束に向かうと考えています。その先、第3波が必ず来ると思いますが、いつ来るかの予想は出来ません。南の洋上で台風が発生していないときに台風の予報が出せないのと同じです。
COVID-19 Forecast (コロナ予報 更新8月13日)について
COVID-19 Forecast 新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会COVID-19 Forecast (コロナ予報 更新8月13日)について 8月13日までのデータで計算した結果、多くの都道府県で新規感染者はピークを越えたように見えます。しかしながら、今のところ「ピークを越えたように見える・・」というような報道はありません。入院・療養者も多くの都道府県でピークを迎えているように見えます。この研究会では、感染拡大の初期にどのようにして感染の推移を予測するか、色々な解析方法について議論してきました。その中の一つであるSIQR数理モデル[1]は、予測に対しても有効に機能するモデルであることを第1波のデータを使って検証しました。第2波でも、第1波と同じ手法が使えるという前提で、進行中の第2波の予測計算をしています。日々更新される。 データで予測は変化します。天気予報と同じです。 コロナ予報は、このHPで8月4日に公開し、8月6日、9日、13日(今回)と更新しました。第2波に対する新規感染者ピークの予測と入院・療養者の予測は、実務的に十分役立つレベルと評価しています。 SIQR数理モデルは、感染の推移を予測するだけでなく、積極的にPCR検査を行って市中の不顕性感染者を隔離した時、一時的に増える新規感染者(検査陽性者)とその後の市中感染者の減り方の予測計算もできます。PCR検査推進派と消極派の議論も具体的な数値に基づいて行えます。これについては、このHPでも紹介する予定です。新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会メンバー 並木正夫