新型コロナウイルス感染拡大の予測
新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会
更新 2020.08.16
新型コロナ感染症第2波は、ほとんどの都道府県でピークを越えました!
•8月16日の公表データで再計算しました
•全国と大阪府の計算結果に重症者の予測を追加しました
•東京都のデータを使って自粛の効果をシミュレーションしました
COVID-19 Forecast
新型コロナウイルス感染症数理モデル研究
(コロナ予報 更新8月16日)について
•8月16日までのデータで計算した結果、多くの都道府県で新規感染者はピークを越えたように見えます。しかしながら、今のところ「ピークを越えた・・」というような報道はありません。入院・療養者も多くの都道府県でピークを迎えているように見えます。その中において、沖縄の病床数はひっ迫しています。大阪府で重症者が増えているので重症者の予測を追加しました。
•コロナ予報は、このHPで8月4日に公開し、8月6日、9日、13日、16日(今回)と更新しました。第2波に対する新規感染者ピークの予測と入院・療養者の予測は、実務的に十分役立つレベルと評価しています。
•この研究会では、SIQR数理モデル[1]が予測に対しても有効に機能するモデルであることを第1波のデータを使って検証しました。第2波でも、第1波と同じ手法が使えるという前提で、進行中の第2波の予測計算をしています。日々更新されるデータで予測は変化します。天気予報と同じです。
•SIQR数理モデルは、感染拡大の予測をするだけでなく、パラメータ(方程式の係数)変化の影響もシミュレーションできます。このモデルで使っている感染率β’は、人の移動の頻度(行動自粛の度合い)、3密回避の行動、ウイルスの感染力などの合計の数字として扱っています。従って、行動自粛が10%変化したときは、β’を10%変化させて計算することで、その影響を模擬出来ます。今回は、その1例を東京都で掲載しました。
•積極的にPCR検査を行って市中の不顕性感染者を隔離した時、一時的に増える新規感染者(検査陽性者)とその後の市中感染者の減り方の予測計算もできます。PCR検査推進派と消極派の議論も具体的な数値に基づいて行えます。これについては、このHPでも紹介する予定です。
詳細は以下のPDFをダウンロードしてください!
注記
•“新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会”では、新型コロナウイルス感染症の感染状況等を解析するための色々な手法について議論しています。
•ここに掲載した、感染状況の予測は、研究会で議論された方法の一つで、公表されたデータをもとに、SIQR数理モデルを使って計算したものです。
•主要都府県別の感染ピーク時期や検査陽性者数、及び、入院・隔離すべき感染者数を計算しているので、病床の準備やスタッフの備え、および、療養用ホテルの準備に役立つと考えています。
•色々な値を計算していますが、ここでは、誰もが知りたいと思っている1日の検査陽性者や要隔離・入院者数の推測計算値に絞って掲載しました。
•予測計算は、公表されるデータがタイムリーに集計されないことやPCR検査陽性者が発症者と不顕性陽性者を区別していないこと。感染拡大に影響する接触率などが変わるなどの理由で当然誤差を含みます。結果を保証するものではありません。
•計算の結果は、計算した日の予測計算結果です。データが増えるに従って誤差は少なくなるので、適宜、更新して行く予定です。
予測は、SIQR数理モデルの非線形常微分方程式を解くことで求めますが、その際、方程式に使っている係数を計算結果がデータに合うように自動的に計算します(AI 機械学習)。感染拡大の初期でデータが少ないと過学習(オーバーフィティング)になることがあります。その場合は、過学習を防ぐための人為的な介在をして修正をします。尚、市中感染者の治癒期間は9日。隔離感染者の治癒期間は、平均14日と仮定していますが、入院・療養者のデータに合わせて調整する場合があります。
新型コロナウイルス感染症数理モデル研究会メンバー 並木正夫
詳細データーは下記のPDFからダウンロードしてご覧ください!
COVID-19 Forecast R5