避雷針Q&A

よくあるご質問
 
 1.避雷針にはどんな種類がありますか?
 
大きく分けて「雷を呼び込むタイプ」と「落雷現象を発生させないタイプ」の2種類があります。「避雷針」という言葉から、避雷針は雷を避けてくれるものだと思われがちですが、そうではありません。雷をあえて呼び込み安全に地表に落とすタイプの避雷針と、特定範囲内にて落雷現象を発生させないタイプの避雷針とがあります。 
2.雷にはどんな種類がありますか? 
 
大きく分けて「直撃雷」と「誘導雷」の2つがあります。「直撃雷」とは一般的な落雷のことであり、人や建物に直接雷が落ちることです。これに対して「誘導雷」と呼ばれるものがありますが、それは建物等への落雷により周囲電磁界が乱れることで発生する誘導電流のことです。アースや電線、コンセントから誘導電流(内部雷)が流れ込み、屋内の電子機器の故障や破損を引き起こします。 
3.避雷針はどんな雷でも防げますか? 
 
従来型避雷針(雷を呼び込むタイプ)は、人や建物を雷の「直撃雷」から守るためのものです。直撃雷によって発生する誘導雷(内部雷)は、従来型避雷針だけで防ぐことはできません。「誘導雷」から人や建物、建物内の資産を守るには、別途SPD(避雷器)が必要です。
4.どんな建物にも避雷針は設置しなくてはいけませんか? 
 
日本では法的に避雷針の設置が義務付けられています。
■建築基準法 : 20 メートルを超える建物に避雷針を設置
■消防法 : 危険物を取り扱う建物・貯蔵タンクに避雷設備を設置
(指定数量の 10 倍以上の危険物を取り扱う製造所、屋内貯蔵所および屋外タンク貯蔵所)
■火薬取締法施行規則 : 火薬庫には避雷装置を設置
ただし、上記の条件に当てはまらない建物であっても、落雷のリスクはあります。特に近年では、ゲリラ豪雨による落雷事故も増加傾向にあります。人や建物はもちろん、電化製品、PC、POSレジ、サイネージ、製造ライン、電子鍵、医療機器等の破損・稼働停止を防ぐためにも、雷リスクを正しく評価し、落雷対策を行うことをおすすめしています。 
5.雷害の発生しやすい時期はありますか? 
 
雷は、基本的には一年中発生します。ただし、季節によって雷の特性が異なります。夏は午後から夕方が雷のピークですが、冬は昼夜を問わず発生します。夏の雷と冬の雷では、発生する仕組みが異なるためです。また、地域によっても異なる特性があります。日本海側の冬の雷は、雷の電気量が多く、落雷すると被害が大きくなる特徴があります。また、夏の雷に比べて冬の雷は100倍のエネルギーを持つことがあり、注意が必要です。 
6.落雷現象を「発生させない」避雷針dinntecoのメリットは何ですか? 
 
従来の避雷針は、そもそも雷を呼び込む仕組みのため、落雷が発生し、大電流による建物への被害が及ぼされます。落雷が発生するという事は、避雷針を設置していても、それに接続された導線に触れたり、その付近にいると落雷を被る可能性があるという事です。DINNTECO-100Plus では、保護エリア内では落雷現象を発生させないため、それらの不安がありません。 
7.落雷があった場合、被害は補償されますか? 
 
万が一落雷による被害が発生した場合、最大300万ユーロ(約3億9,000万円)の範囲内で補償されます。設置場所及び保護範囲に対し起こる間接的被害も含まれています。補償の利用には、保険会社による現地調査が必要です。 
8.直撃雷の被害にはどんなものがありますか? 
 
「直撃雷」とは一般的な落雷のことで、人や建物に直接雷が落ちる事です。「直撃雷」の電圧や電流は非常に大きいため、落雷被害も甚大です。人間に落雷すれば命を落とすことにもなりますし、設備や建物に落雷すれば、その威力の大きさからほとんどの場合破損します。学校のグラウンドでの落雷により部活動中の高校生が亡くなったり、野外コンサート会場での落雷により観客の方が亡くなるなど、様々な被害事例があります。 建物の破損が二次災害を引き起こすこともあります。もし高層ビルへの落雷によって破損した外壁の一部 が地上に落下したら、地上の物や通行人に危害を与えてしまうことにもなるからです。 都心の高さ 200 メートルの高層ビルの屋上の一部が粉砕され、1 階まで落下した事例があります。もしこの落下物が人間にあたっていたら・・・と考えると、とても恐ろしいことです。このような「直撃雷」から人や建物を守るために設置するものが避雷針です。DINNTECO-100Plusの保護エリア内では落雷現象を発生させません。 
9.誘導雷(内部雷)の被害には どんなものがありますか?
 
「誘導雷(内部雷)」とは、付近の建物等に雷が落ちることで、周辺の電磁界が乱れ誘導電流が発生し、アース線や電線、コンセントを通じて建物内部の電子機器に被害を及ぼすものです。
◯ 家庭内:ホームセキュリティ、電子錠、エレベータの故障
◯ 会社内:サーバールームへの影響・・・ネットワーク障害や社内重要データ破損のリスク
◯ 病院内:医療機器、電子カルテの故障・・・患者の命の危機
◯ 工場内:稼働停止、欠陥製品・・・ 莫大な経済損失

ある病院での事例として、落雷により周辺地域が停電。病院ではすぐに非常用電源が作動されたにもかかわらず、人工透析の機器は動かないままという事態が発生しました。また別の病院では、落雷による誘導電流で医療機器につながるブレーカーが故障。電子カルテや空調システムが 6 時間にわたり使えなくなる事態が発生しました。「誘導雷(内部雷)」による経済的損失は、情報化社会の現代では甚大なものです。工場内機械の故障や生産ラインへの影響、電子機器や通信ネットワーク障害はもちろんのこと、病院の医療機器の故障は人命への影響もあります。

10.定期メンテナンス方法および耐用年数は? 
 
<メンテナンス方法>
■製品の上半球、下半球の絶縁抵抗チェック
■アースの設置抵抗値のチェック(10Ω以下が条件)
■導線、支持管、アースまでの接続部などの腐食と酸化を確認し、必要に応じて清掃する。
■ボンディング箇所(各接続部分)があれば、それらの導通チェックを行う。
■製品取付に関わる各種部材や金物がボルト緩み含め問題なく付いているか、チェックを行う。(形状が変わった場合、設計見直しが必要)
■製品のアルミ素材が酸化して白い粉が付着していないか、錆がないかチェックする。
<耐用年数>
環境にもよりますが、20年となります。
11.高さ26.79mに製品設置の際、保護範囲が半径100mすべてカバーされますか?
 
 回転球体法による保護エリア内であれば補償可能です。保護範囲においては「回転球体法 R=200m」の球体を転がして、設計を行うことでそれぞれの保護範囲が割り出されます。その為建物が仮に26.79mの高さでも、それぞれ異なる大きさの形状によって「回転球体法 R=200m」で描かれる保護範囲は、それぞれ異なりますので、一概に高さ26.79mの構造物は全て保護範囲が100mになるとは限らず、また100m先の建物の高さが100m未満をカバーされるかどうかも、設計の上確認いたします。
12.なぜ「回転球体法 R=200m」を利用するのですか?
 
 避雷針の設計としてはJIS規格に基づいた設計を行いますが、R200の保護範囲というのは、dinnteco製品の性能保証、つまり保険適用範囲における保護範囲算出方法となります。また、dinntecoは世界最高水準の雷観測サービスである「METEORAGE(メテオレイジ)」を活用して、様々な雷多発エリアにおいて、最長16年間の観測期間のものも含め、複数の試験対象の建物(主に落雷しはすい通信鉄塔)を継続的にモニタリングしました。それにより、半径100m以内に落雷を発生させない結果が得られました。
実証実験データを元にJISの保護レベル別の保護範囲の算出にも使われる数式を応用して算出していますが、通常の避雷針は確実に誘雷するための算出であるのに対して、dinntecoでは落雷現象を抑制する範囲として算出しております。
※用いられた数式 r=10x106.7(kA)の0.65乗=208.1167(m)≒200m
13.耐環境性は? 
■耐風速
強風の影響によって支持管が耐えられるかどうかという点に気をつけております。そのため、支持管の風圧計算においては国土交通省で定められた各地域別の「係数」を使用しますが、 dinnteco を設置する場所が、平地で風通りが強い場所なのか、ビル街などで風通りの悪い場所なのかによって、地表面祖度区分数値が「 1 4 」までのレベルの定めがあります。
例えば、海岸など強風が想定される場所によっては、そのエリアの基準風速の定められた係数と祖度区分数値1(台風相当)を用いて風圧強度計算をし て、 耐え得る金物をご提案しております。

※支持管を通常よりも太くする、金具を強化する支線を張って対策を行うなど、通常の避雷針同様にdinnteco もそれらの対策を行っております。
■耐水性
降雨の際の耐水性は全く問題ありません。製造した製品を12 時間浸水させ絶縁抵抗が 5 %以上低下していないことを確認する 耐水性 テストを行っております。
■気圧(標高)
標高7000ft 以下で動作可能です。
チリの標高4,500m (約 14,760ft )の高さに設置して運用している実績も あり ます。

※気圧 変化 による 悪影響 はあり ません。製品下部の圧抜き弁により内部圧力と外部圧力が常に同じになるように調整されます。
■着水や着氷
※着氷や極端な温度変化、または非常に高い湿度など気候 変化に よ る製品 へ の影響は あり ません。
■使用温度
使用温度は-40℃から160℃となります。 
14.発注後の納期はどれくらいですか? 
 
製品納期の場合、数とタイプによります。通常は1週間以内となります。国内で在庫が無い場合は1ヶ月程度で本国からお取り寄せします。 
15.故障率は? 
 
 日本国内で設置後に故障という報告はありませんが、全世界での情報から、1%以下となります。
16.落雷被害の多い月はいつですか? 
 
2005~2017年の12年間で気象官署から報告のあった落雷害の数は、1,540件でした。落雷害のうち約30%(468件)が8月に集中しています。また、発生地域の特徴を見ると、太平洋側で約65%、日本海側約35%が発生しています。月別に見ると、4~10月は太平洋側で多く、11~3月は日本海側で多いことがわかります。(※気象庁HPより)
17.年間雷が発生する平均件数は? 
 
全国各地の観測に基づく雷日数(雷を観測した日の合計)の平均値(1981~2010年までの30ねん平均値)によると、年間の雷日数が多いのは 東北から北陸地方にかけての日本海沿岸の観測点で、もっとも多い金沢では、42.4日となっています。これは、夏だけでなく冬も雷の発生数が多いことによるものです。(気象庁HPより)